Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究は,映像レーダのデータから土地被覆を自動分類する分類器に関し,カーネル関数に基づく学習/識別理論を活用して,分類精度を向上させることを目指したものである.カーネル学習法とは,線形分離不可能な多次元特徴をより高次元な空間に非線形写像し,クラス間の分離性を高める方法をいう.これらの写像は通常膨大な計算量を要するが,写像先での内積を表すカーネル関数を用意し,学習や識別の過程における特徴ベクトル間の内積をこの関数で置換することで,実際の写像計算を回避する. 昨年度までの研究で,多周波・多偏波な合成開口レーダ(SAR)画像における各バンドのパワー(後方散乱係数)や偏波間の位相差,テクスチャ特徴量などを要素とした画素ごとの特徴ベクトルを,代表的なカーネル学習法であるサポートベクターマシン(SVM)を用いて複数のクラスに識別する画像分類手法を開発した.また,サポートベクター(識別面との距離が最小であるサンプル)の数と分類精度の関係を精査し,発展的な教師無し分類の手法を構築した. 上記手法(下線)では,他の多くの教師無し分類と同様,シーン内に存在するクラス数については,唯一,オペレータによる手動設定が必要であった.これに対し,本年度は,完全な自動分類をねらい,前処理的な粗いクラスタリングによりクラス数を推定する手法を検討した.そこでは,多偏波データの利点を生かし,物理的な散乱機構に根ざした方法を考察した.具体的には,対象散乱体のコヒーレンシー行列を固有値分解する"ターゲット分解"を用い,シーン内に含まれるクラス数の推定を行った.このようなターゲット分解の考え方は,散乱過程が有意に異なる複数のターゲットが混在する画像に対して特に有効なものであり,SVMと組み合わせた結果,より高い自動分類性能を示すことを実画像上で実証した.
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