Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
近年の高帯域ネットワークの普及に伴い,インターネットテレビ放送等の画像配信サービスの展開が期待されている.そのため映像の品質や圧縮率の向上が求められている.本研究の目的は高品質な画像符号化手法の開発および,そのための基礎的研究であるサンプル値系の消散性に関する理論的研究を行うことである.基礎的研究の成果として,サンプル値系の設計・解析手法の一つである,離散時間近似に基づくアプローチによりディジタルシステムの消散性を新たに提案したことが挙げられる.報告者が知る限りこの種の研究は他に例が少なく,先端的な研究であると考えられる.さらに報告者はディジタルシステムが消散的であるための必要十分条件を導出し,消散化フィードバック制御器の設計問題を,数値最適化手法により実行可能な問題に帰着させた.以上の成果は雑誌論文1,2として報告を行った.上記の成果をディジタルフィルタ設計へ応用すれば,全周波数帯域における位相遅れの上限が予め指定した値で押さえられるよう,位相遅延の上限を決めたIIRフィルタの設計に有効である.さらに上記の成果の発展として,ディジタルシステムの安定余裕指定設計への応用に関する研究を行った.この成果は雑誌論文3として報告を行った.また本研究は数値最適化手法を活用したアプローチにより,制御器の設計における試行錯誤が不要で設計が容易であるという著しい利点がある.このアプローチの応用として,ディジタルおよびアナログシステムのモード配置問題およびLPVディジタルシステムへの制御器の実装に関する研究を行った.これらの成果は雑誌論文4,5として報告を行った.以上のように,本研究の目的のうちサンプル値制御系の消散性と位相特性に関する理論的研究については十分な研究成果が達成された.最終目標に挙げた,DSPを用いた画像符号化手法の実装は準備段階であり期間内には達成されなかった.
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