Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
コンクリートの細孔溶液中でのイオンの拡散移動に対して,その駆動力を電気化学的ポテンシャルとして捉え,単なる濃度拡散力に限らず電気力の影響も含めるために,Onsager現象係数および一般化されたFickの法則から各イオン種の拡散現象を定量化する相互拡散モデルを構築した.つまり,コンクリート中のイオン移動現象の解明にあたって,多種類のイオン群でしかも比較的高濃度な溶液中の各イオンの移動を定量化するために必要な拡散係数の導出にあたり,相互拡散係数の概念を取り入れることに成功した. そして,分子論に立脚した相互拡散モデルの適用性をさらに詳細に調べるために,実験から得られたデータに基づいて各定数を定式化した. 本研究によって開発した相互拡散モデルを用いて,細孔溶液中の塩化物イオン,硫酸イオン,アルカリ金属イオン,カルシウムイオンの移動について,過去に個別に行われたデータを収集・整理・比較しながら,モデルとの適合性を詳細に調べた.この結果から,コンクリート構造物の塩害,化学的侵食,アルカリ骨材反応,溶脱による劣化を支配しているイオン種の細孔溶液中での挙動を統一して説明できる可能性を見い出し,今後の更なる高度化への課題を抽出した. さらに,環境負荷低減に資する研究としての意義を探るために,相互拡散モデルの汎用性に関してに,六価クロムなどコンクリートに含有される微量成分についても拡張が可能かを検討した. 本研究で得られた成果の一部は,土木学会論文集,日本建築学会構造系論文集,コンクリート工学年次論文集24巻,第57回土木学会年次学術講演会,第1回fibコングレスなどで論文発表した.
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