Project/Area Number |
13750489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
水工水理学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 賢治 京都大学, 防災研究所, 助手 (30283625)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 土壌水分 / データ同化 / 数値気象予測モデル / 陸面過程モデル / カルマンフィルター / GMSデータ / 地表面温度 / SiBUC |
Research Abstract |
本研究の目的は、陸面モデルの複雑な個々の物理プロセスを直接的に取り込んだ形で、正しく土壌水分量を推定する手法(Kalmanフィルターを用いた土壌水分推定システム)を実際の数値予報モデルに導入するために必要な様々な問題を検討するとともに、このデータ同化システムを通じて土壌水分の初期値ならびに予報精度がどの程度改善されるか、また誤った予報により生じる土壌水分の誤差をどの程度修復できるかを検討することであった。 オペレーショナルな運用を意識して、入力となる観測情報としてGMSの赤外チャンネルの情報を用いる。本研究では、水蒸気チャンネルや可視チャンネルも併用して、夏季については有効に雲域を除去することに成功したが、特に積雪のある冬季については雲域を除去することは困難であった。しかしながら、積雪面については土壌水分を修正する必要がないため、本システムの適用条件を無積雪期間に限定する。また本システムが有効に機能するためには、植物キャノピーと地面の温度をそれぞれ正確に求める必要がある。これについては地上観測データを含めて詳細に検討したが、土壌水分の修正が必要な状況において、すなわちモデルの状態量である土壌水分が実際の土壌水分の値と大きく異なる場合において、GMSで得られるピクセルの平均値(1つの温度情報)とモデルの種々の物理量からキャノピーと地面の温度を推定することは極めて困難であり、観測情報としてもう一つ必要であるとの結論に至った。もう一つの情報とは、例えば表層土壌水分量(衛星マイクロ波から推定可能)やある程度の領域を代表する顕熱フラックスである。これらのさらなる観測情報を付加した形での土壌水分推定手法の開発については本研究の範囲を越えているが、今後も引き続き検討していく。 本システムを大気陸面結合モデル(JSM-SiBUC)に導入し、GAME-HUBEXや琵琶湖プロジェクトを対象とした数値シミュレーションを実施する予定であったが、GMSデータを実際に本システムに導入するための検討に多くの時間を費やしたこと、導入のためにはさらなる観測情報が必要であることから、気象モデルを用いた検討は見合わせた。最後に本研究費によって導入した土壌水分並びに地表面温度観測システムは今後も引き続き運用し、新システムの開発・検証に大いに役立てたい。
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