C11_b構造を有する超高温構造材料の設計:-c/a軸比の制御-
Project/Area Number |
13750655
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 和博 京都大学, 工学研究科, 助手 (60303856)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 超高温構造材料 / MoSi_2 / Mo_5SiB_2 / Mo / 高温強度 / 室温靭性 / 耐酸化性 / パック・セメンテーション / PdZr_2 / C11_b構造 / c / a軸比 / 複相材料 / Mo_5Si_3 |
Research Abstract |
MoSi_2は優れた耐酸化性を有し、超高温構造材料の有力候補の1つである。しかしながら、{013}<331>すべりのCRSSが結晶方位に大きく依存するため、多結晶材が変形能を示さない。MoSi_2基Cll_b合金のc/a軸比の制御の可能性と{013}<331>すべりのc/a軸比による変化を調べたが、MoSi_2基超高温構造材料の設計に新たな提案を見出すことはできなかった。そこで、新たな超高温構造材料の指針として、Mo相とMo_5SiB_2(T_2)相との複相化を検証した。 Mo相とT_2相との共晶組織は熱力学的に2100℃まで安定であり、我々はT_2相の高温でのクリープ歪がMoSi_2や先進のセラミックス材より約3桁小さいことを明らかにしている。Mo相とT_2相との共晶組織のみを有する試験片は凝固速度が約5mm/hより遅い時にのみ作製可能であり、共晶組織は短い棒状のMo相が母相T_2相に均一に分散した組織である。得られたT_2/Mo共晶組織の室温靭性値は約11MPa√m、1500℃での降伏応力は約700MPaであり、Nb基の複相材や他のMo-Si-B複相合金と比較して、同等の室温靭性および約2倍の高温強度である。 T_2相の耐酸化性はMo相と比較するとはるかに良いがMoSi_2より劣るため、1500でのクリープ試験はAr雰囲気中で行った。更にMo相との複相化は耐酸化性の劣化を招くと予想される。そこで、この共晶合金をSiベースのパック材に埋め込み拡散浸透処理を行い、均一なMoSi_2コーティング層を共晶合金上に形成させることに成功した。そのパック・セメンテーションした共晶合金は1300〜1500℃までの連続酸化試験においてMoSi_2と同等の耐酸化性を示す。1500℃ではMoSi_2コーティング層はBを含むMo_5Si_3コーティング層に相変態する。Bを含むMo_5Si_3はMoSi_2と同等の耐酸化性を示すことが報告されており、事実本研究においてもBを含むMo_5Si_3コーティング層は1500℃において耐酸化コーティング層として機能している。 以上、Mo-Si-B系に存在する相を用いて、各相に機械的性質及び耐酸化性改善の役割分担を担わせ、超高温構造材料として必要な特性を有する一つの複相材を作り上げた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)