Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,生体適合性の両親媒性成分(大豆由来レシチン)を用いた分子集合体に生体高分子(ゼラチン)を添加することによって調製した有機ゲルマトリクスにリパーゼを固定化し,脂肪酸エステル合成を行い,(1)反応活性が最大に発揮されるゲルの調製条件,(2)基質の有効拡散係数と分配係数,速度定数を通じた触媒能力並びに(3)反応活性の安定性とエステル収率の3項目の実験に具体的に取り組み,本法による反応プロセス構築の基礎指針を導出することを目的とした.また,イオン性の両親媒性成分を用いた系との比較を行うことも合わせて実施した. (1)反応活性が最大に発揮されるゲルの調製条件 酵母起源のリパーゼを固定化し,反応活性に対するゲル相水分量,ゼラチン濃度並びにレシチン濃度の影響を実験的に求め,これらを指標として反応活性が最大に発揮されるゲルの調製条件を明らかにした.また,脂肪酸の種別に反応活性を評価し,最適な脂肪酸を選定した. (2)基質の有効拡散係数と分配係数,速度定数を通じた触媒能力 最適なゲルの調製条件のもと,基質の有効拡散係数と分配係数を実測し,これらが反応活性に与える影響を明らかにした.また,速度定数を実測し,ゲル粒子径を指標とした有効係数の推算を通じて反応プロセスを設計する基礎を確立した. (3)反応活性の安定性とエステル収率 最適なゲルの調製条件のもと,繰り返し再利用反応により酵素活性の安定性を実験的に求め,長期間にわたり安定な活性が発現することを明らかにした.また,高収率のエステル生産が見込めることを示した.
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