結晶性無機化合物の特性を利用した新規な固体酸塩基触媒の精密設計
Project/Area Number |
13750726
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
触媒・化学プロセス
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
海老谷 幸喜 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (50242269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水垣 共雄 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (50314406)
金田 清臣 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90029554)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | グリーンケミストリー / 固体酸塩基触媒 / 炭素-炭素結合形成反応 / 酸化反応 / 分子状酸素 / モンモリロナイト / ハイドロタルサイト / 巨大パラジウムクラスター / アルドール反応 / エポキシ化反応 / マイケル付加反応 / 過酸化水素 / 水 |
Research Abstract |
本研究では、モンモリロナイトおよびハイドロタルサイトに代表される結晶性無機粘土鉱物の諸特性を利用し、新規な固体酸塩基触媒を開発した主に対象とした有機合成反応は、炭素-炭素結合形成に有効なMichael反応、aldol反応、および分子状酸素を酸化剤に用いたエポキシ化反応である。以下に成果の詳細を述べる。 1)モンモリロナイトの層間に固定化したスカンジウムカチオンは、相当する均一系よりも極めて効率的にMichael反応を進行させる。また、本固体触媒は、無溶媒条件下でのラージスケールでのMichacl反応をも可能とした。また、モンモリロナイト層間に形成した単核バナジウム種は、分子状酸素のみを酸化剤に用いるオレフィン類のエポキシ化反応を進行させる極めて特異な触媒作用を示す。 2)ハイドロタルサイトの自己組織化力を利用して層間および表面の炭酸アニオン種を水酸化物アニオンに交換すると、水存在下でアルデヒド類のaldol反応を進行させる新規な固体塩基触媒となることを見出した。本触媒は、NaOH等の均一系無機塩基に比べ、aldol生成物の選択性が極めて高い特徴がある。また、同程度の酸性度をもつ反応物を区別できる特異な触媒表面構造をもつ。 3)表面にルテニウム種を固定化したハイドロタルサイトは、ルテニウムイオンによるアルコールからアルデヒドへの効率的な酸化反応と表面塩基点でのアルデヒドのaldol反応を同時に進行させ、アルコールから,aldol生成物を一段階で生成することができた。 4)酸塩基性を制御した酸化チタン表面には巨大パラジウムクラスターの独特の構造と触媒作用を保持したまま固定化でき、新しいタイプの固定化金属触媒が調製可能であることを示した。 本研究で開発した固体酸塩基触媒は、分離・回収が容易で再使用が可能であるというだけでなく、相当する均一触媒系に比較し、特異な触媒活性点構造に基づき高い選択性を示すことを明らかにした。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)