タングステン系無機水和酸化物の中温領域におけるプロトン伝導特性
Project/Area Number |
13750756
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (2002) The University of Tokyo (2001) |
Principal Investigator |
日比野 光宏 独立行政法人産業技術総合研究所, 電力エネルギー研究部門, 研究員 (20270910)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 燃料電池 / プロトン伝導 / 水和酸化タングステン / パイロクロア構造 / 水和酸化物 / 酸化バナジウム / 動的光散乱法 / パイロクロア型構造 |
Research Abstract |
高分子固体電解質型燃料電池は高分子膜の耐熱性から作動温度は90℃程であるが、電極触媒の一酸化被毒を抑制などのためは150〜300℃が望ましい。実現のためにはプロトン伝導性固体電解質の開発が必要である。本研究では有機無機複合電解質膜を想定し、無機成分して使用可能な高プロトン伝導性を有した物質の探索を行った。得られた結果をまとめると以下となる。 1.層状構造の酸化タングステン水和物(二次元的な水素結合ネットワークを持つWO_3・2H_2O、また同じく層状構造ではあるが、水素結合のネットワークを持たないWO_3・H_2O)において、WO_3・2H_2Oでは水素結合ネットワークによるプロトン伝導が可能であり、温度が上がると表面での伝導を凌駕する。これは活性化エネルギーは大きいが、タングステン一原子あたりの水分子の量は、構造内の方が多いためである。 2.パイロクロア型構造の酸化タングステン水和物WO_3・0.5H_2Oを合成しプロトン伝導性を調べた結果、パイロクロア型構造中では、水和水と構造中の酸素により水素結合が三次元的にネットワークを形成しており、上記の二水和物WO_3・2H_2Oと同様に温領域では粒子表面で吸着水を利用した伝導、高温側では構造内の水素結合ネットワークを利用した伝導が優勢であった。125℃飽和水蒸気圧中で、8.8×10^<-3> S/cmという比較的高い伝導率を示した。しかしそれ以上の温度領域では、高湿度雰囲気下では不安定になりWO_3・0.33H_2Oへと変化してしまうことがわかった。 3.上記の結果をさらに他の水和遷移金属酸化物において調べるために、酸化バナジウム水和物を合成した。構造とプロトン伝導性の関係を求めるために、ゾル中での構造を動的光散乱法を用いて調べた。結果は、ゾル分子の構造はアスペクト比の大きな(約60)、数nmのゾル分子を基本として濃度との相関が大きいことがわかった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)