π共役フェニルアゾメチン金属デンドリマーの合成と光機能
Project/Area Number |
13750821
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
樋口 昌芳 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (80306852)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | デンドリマー / フェニルアゾメチン / ナノ材料 / 段階的錯形成 / ナノ電子デバイス |
Research Abstract |
従来にないπ共役有機超分子に金属イオンを精密集積させたハイブリッド型材料の研究を行い、以下の研究成果を挙げた。 π共役フェニルアゾメチン骨格からなる新型樹状高分子(デンドリマー)を開発した。デンドリマーは中心のコアから枝分かれを繰り返す樹状形態を有しており、分岐の回数を世代で表し、コアから外側に向かって順に第1世代、第2世代、第3世代と呼ばれる。フェニルアゾメチンデンドリマーは金属に対し高い配位能を有するアゾメチン(イミン)部位を多数有しており、様々な金属をデンドリマー内に集積できることが判明した。錯形成の進行は、色の変化として容易に確認することができ、特に、イミンと1対1で錯形成する塩化スズを添加すると、紫外可視吸収スペクトルにおける等吸収点の段階的なシフトから、塩化スズがデンドリマー内の第1世代から順に第2、3、4世代へと段階的に錯形成していく特異な挙動を発見し、このデンドリマー内に電子密度の勾配が存在していることを明らかにした。この段階的錯形成は、透過型電子顕微鏡観察や、核磁気共鳴スペクトル測定からも確認されたほか、塩化スズと錯形成したイミンが還元剤の存在下容易にアミンへと還元されることを利用した世代選択的還元法によっても実証された。さらに、コアや末端部位に電子吸引基や電子供与基を導入することで、デンドリマー内の電子密度勾配を変化させ、塩化スズの錯形成する世代順を変えることに成功した。以上の結果、デンドリマーのナノ空間内に金属の位置と個数を精密かつ自在に制御して導入することに成功した。本成果は、従来困難であった有機高分子における精密金属集積化を実現したものであり、今後様々な精密有機/金属ハイブリッドナノ材料の開発において本成果を利用できると期待される。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)