Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
壁面熱流束の解析結果より,燃焼器内での燃焼形態は衝撃波の有無により大きく変化することが確認された.水素を燃料として用いた場合,燃焼器内における発熱量が小さい場合には,燃料は壁面近傍の高温境界層内で燃焼する弱燃焼モードを,発熱量が比較的大きい場合には衝撃波を発生させ,その背後で急速に燃焼が行われる強燃焼モードが達成された.強燃焼モードが達成される条件においては,ステップ近傍に大規模な再循環領域が形成され,これが保炎領域として機能していた.つまり,衝撃波をうまく利用して大きな還流域を形成することで,水素に比べて反応性の劣る燃料を利用できる可能性がある.ケロシンに代表される炭化水素系燃料は液体水素と比較して,反応速度は小さいが,単位体積当たりの発熱量が大きく,飛翔体の燃料として有利である.そこで,本年度は燃料としてケロシン,メタン,水素を用いてこれらの燃焼挙動を比較した.その結果,炭化水素系燃料の燃焼特性として以下の知見を得た.炭化水素系燃料を用いた場合,水素を比べ着火限界は大きく劣り,主流総温2000K以下では着火・保炎は確認されなかった.また,弱燃焼モードに相当する燃焼モードが存在せず,衝撃波の存在なしでは保炎は不可能であった.しかしながら,衝撃波を発生させることで強燃焼モードでの保炎が可能である.また,強燃焼モードにおいても,炭化水素系燃料を利用した場合は,水素を利用した場合と比較して圧力上昇がなだらかであり,また衝撃波位置が系のヘルムホルツ振動数に近い振動数で大きく振動する.この性質は擬似衝撃波などで見られる現象であり,このことから炭化水素を用いた場合は,水素を用いた場合と異なり,燃料が比較的発達した衝撃は構造を通過しながら次第に燃焼していることが予想された.よって,炭化水素形燃料を用いた場合は,燃焼領域が噴射口位置の比較的下流に位置することが考えられる.この結果はISABE2003で発表予定である.
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