Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Research Abstract |
1,ACC合成酵素とACC酸化酵素遺伝子の果実成熟時の発現様式を調査し,これまでに明らかとなっている水ストレス誘導時の発現様式と比較した。水ストレス時にはDK-ACS2の発現が誘導されるが,果実成熟時にはDK-ACS1の発現が誘導されDK-ACS2の発現は誘導されなかった。このことより,水ストレスによるエチレン誘導は果実成熟時のエチレン誘導とは異なる種類のものであることが明らかとなった。 2,'刀根早生'果実の有孔ポリエチレン包装に関して,札幌市場への流通試験を行った結果,流通中に果実周辺の湿度は高く保たれ,果実からの水分蒸散が著しく抑制された。エチレン生成,軟化発生も抑えられ,十分に実際の現場でも使用できる方法であると判断された。 3,'西条'果実に関して,定量的PCR法によるACC合成酵素遺伝子の発現解析を行ったところ,脱渋期間中より遺伝子発現量の増大が観察された。これは,脱渋処理解除後より,発現量が増大するという,前年度のノーザンブロット解析の結果とは異なるものであった。定量的PCRの結果はより信用度が高いので,予定していた脱渋解除後の環境条件がエチレン誘導に及ぼす影響に関する調査は行わなかった。 4,100%N_2による脱渋処理を試みた結果,炭酸ガス脱渋と比べ生成量は小さいが,エチレンが誘導され,軟化が発生した。また,脱渋程度が著しく劣っていた。なお,収穫時期の影響や系統・栽培法の影響に関しては調査せず,代わって下記の1-MCP処理の調査を行った。 5,エチレン作用阻害剤1-MCPを脱渋処理と同時に処理したところ,効果的に早期軟化を抑えた。脱渋と同時に1-MCP処理を行えば,1-MCP処理のための設備や時間が軽減されるので,今回の結果は,実用上,大きな意義があると考えられた。
|