Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
ビタミンAは細胞の増殖・分化の制御や形態形成、遺伝子の発現制御などに関与する分子である。食物から摂取したビタミンAは消化管から吸収されて肝臓へ輸送される。ビタミンAは肝臓実質細胞に一時的に貯蔵され、レチノール結合蛋白質(以後RBPと記す)との複合体として細胞外に放出され、その近傍の肝臓類洞周囲腔内に存在する肝臓星細胞(以後星細胞と記す)に取り込まれると考えられている。星細胞は、生体内ビタミンAの80%以上をその細胞質内に豊富に存在する脂質滴に貯蔵し、生体の必要性に応じてビタミンAを取り込みまたは放出することにより、ビタミンAの生体内恒常性を調節・維持する重要な細胞である。星細胞のビタミンA取り込みの機序に関しては、星細胞の細胞表面に存在する分子にビタミンA-RBP複合体が結合して細胞の中に取り込まれることが既に報告されているが、ビタミンAの取り込みに関与するこの分子の詳しい解析はまだ行われていない。昨年度の研究で、腎臓近位尿細管でRBPと特異的に結合し,その再吸収を行うメガリンが、星細胞に発現していることをRT-PCRで確認した。 (1)昨年度の研究により,星細胞においてメガリンが,発現していることがRT-PCRにより明らかにした。再確認を行うために,実験系の陽性対照として,ラット腎臓より調製した全RNAおよび星細胞のmRNAを用いるRT-PCRを行った。PCRにより増幅される特異的なバンドのサイズおよびその塩基配列は,星細胞において確認されたものと同一であった。 (2)メガリンの発現をタンパク質レベルで確認するため,Western blot解析を行った。すなわち,培養肝臓星細胞のタンパク質抽出を行い,5%SDS-ポリアクリルアミドゲルを用いる電気泳動後,PVDF膜に転写,次いで抗メガリン抗体を用いて検出を行った。その結果、肝臓星細胞の抽出液中にメガリンの分子量に相当する330kDのサイズのタンパク質が検出された。 以上の結果,メガリンが肝臓星細胞において発現していることをRNAレベルおよびタンパク質のレベルで確認できた。
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