カルネキシン/カルレティキュリンのシャペロン分子機構と細胞分化における意義の解明
Project/Area Number |
13770070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井原 義人 長崎大学, 医学部, 助教授 (70263241)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | カルレティキュリン / シャペロン / レクチン / 糖タンパク質 / アポトーシス / カルシウム / カルネキシン |
Research Abstract |
カルネキシンとカルレティキュリン(CRT)はERに存在するCa2+結合性の分子シャペロンである。特にCRTはこれまでの報告から、分子シャペロン機能のみならず、遺伝子発現制御や細胞接着、細胞死などの分子機構にも関与することが明らかとなり、多機能分子としての役割が注目されている。平成14年度はCRTのCa2+代謝と細胞分化における新しい生理機能とその分子機構について、CRT遺伝子の導入を行った培養細胞系を用いた細胞分化モデルの解析を行った。 カルレティキュリン高発現心筋芽細胞株を用いた細胞分化モデルの解析 心筋細胞分化のモデルとして知られるラット心筋芽細胞株H9C2にマウスCRT遺伝子発現ベクターを導入し、CRT高発現細胞クローンを樹立した。これらのクローンを用いて、CRT高発現が心筋細胞分化を阻害し、細胞のアポトーシスを促進することを見いだした。CRT発現がどのような分子機構で細胞のアポトーシスを制御しているのかを解析した結果、以下のことが明らかとなった。 1)CRT高発現細胞では、細胞生存シグナルであるPKB/Aktシグナルの分化条件下での抑制が観察された。 2)CRT高発現細胞では、PKB/Aktを脱リン酸化するPP2Aの発現誘導が見られた。 3)CRT高発現細胞では分化誘導条件下での細胞内遊離カルシウム濃度の上昇が見られた。一方、同様に細胞内遊離カルシウム濃度を上昇させるThapsigarginにより、PP2Aの転写レベルでの誘導が見られた。 上記の結果から、CRT高発現細胞では細胞内カルシウム代謝が影響を受けることにより、細胞内遊離カルシウム濃度の上昇に伴うPP2A遺伝子の発現誘導が起こり、それによるPKB/Aktシグナルの抑制という分子機構によって、分化誘導条件下でアポトーシスが促進されるのではないかと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)