前立腺癌における遊離型、結合型PSAとこれに及ぼす分子種に関する免疫組織学的研究
Project/Area Number |
13770091
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石田 英和 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (10332967)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 前立腺癌 / PSA / ACT / PSG / 免疫組織染色 / 免疫組織学 |
Research Abstract |
本研究の目的は当教室が開発した高感度free PSA, complex PSAのモノクローナル抗体を用いて、前立腺癌における発現程度と分泌様式、腫瘍の分化度、臨床病期などとの関連を検討することである。そのため、free PSA, total PSAの血清値を測定するとともに、α1-アンチキモトリプシンを含む免疫組織染色と分泌様式を検討するためPSG (prostatic secretory granule)の分布を調べた。(結果)PSGについて、正常腺房細胞の先端部に無数の好酸性顆粒(PSG)を認めたが、正常導管細胞内にはPSGは存在しなかった。癌細胞ではPSGは著明に減少ないし欠如しており、free PSAは正常腺房細胞ではPSGに一致して先端部に陽性を示したが、癌細胞内ではび漫性に陽性を示した。α1-アンチキモトリプシンは正常腺房細胞ではほぼ陰性であったが、正常導管細胞では陽性であり、癌細胞においては特にGleason gradeの高い症例で陽性を示した。以上のことから正常腺房細胞ではfree PSAはPSGとして管腔内に分泌されるのに対して、癌細胞ではPSGの形成障害があり正常の分泌過程が障害されることによりfree PSAが癌細胞内にび漫性に蓄積し、血中に漏出すると考えられた。また、free PSAの一部は癌細胞内でα1-アンチキモトリプシンと結合し、complexed PSAとして血中に漏出し、これが癌においてはf/t-PSA比ないしf/c-PSA比が低下する原因の一つであると考えられた。なお、統計学的にf/t-PSA比と腫瘍の分化度、f/t-PSA比とGleson scoreの間に有意な関係はみられなかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)