Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
1.職業性ストレスと心理学的ストレスとの関連についてのレビュー 職業性ストレスに関する主要な3つの理論モデル(NIOSH職業性ストレスモデル,仕事の要求度-コントロールモデル,努力-報酬不均衡モデル)について概説した.次に,それらの理論モデルのうち,仕事の要求度-コントロールモデルに焦点を当て,このモデルと心理学における諸要因との関連について言及した.最後に,心理学的ストレスモデルに基づいて行った筆者らのコーピングに関する実証研究を紹介した. 2.職業性ストレスと対処行動との関連がストレス反応に及ぼす影響についての実証的研究 職業性ストレスに対するコントロール行動としての積極的対処と非積極的対処との相互作用が,心理的ストレス反応に及ぼす影響を検討した.質問紙調査の結果,積極的対処によるストレス反応の低減効果は,特に,対処努力を必要とする状況において,他の対処方略の影響を受けることが明らかになった.具体的には,「問題から距離を置く」「周囲に援助を求める」という対処方法は,積極的対処によるストレス低減効果を促進したのに対して,行動・感情を抑制する対処方法は,その効果を阻害していた.これらの結果より,どの種類の対処方法を積極的対処方法と組み合わせるかによって,個人の健康が大きく異なることが示唆された. 3.職業性ストレスに対する対処能力の向上を目的とした介入研究 職業性ストレスに対する対処能力の向上に焦点を当てたストレスマネジメントプログラムを実施し,その効果を質問紙調査により検討した.心理教育,グループディスカッション,ロールプレイ,リラクゼーション訓練から構成されるプログラムを実施した結果,積極的対処と同僚からのサポートに関して,有意な介入効果が認められた.さらに,参加者の特徴を考慮に入れた分析の結果,特定の下位集団に焦点を合わせてプログラムを構成・実施することにより,対処能力の向上,ソーシャルサポートの増加,ストレス反応の低減がより促進される可能性が示唆された.
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