梗塞後不全心のβ受容体シグナリングに対するアンジオテンシン受容体拮抗薬の効果
Project/Area Number |
13770364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 寿由樹 慶應大, 医学部, 助手 (20286470)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 心不全 / 心筋梗塞 / βアドレナリン受容体 / アンジオテンシンII受容体 / シグナリング / プロテインキナーゼC / 左室リモデリング |
Research Abstract |
代償性肥大から心不全に移行する際にβアドレナリン受容体(βAR)の反応性低下が見られ,心不全の病態形成に重要な役割を果していることが知られる。この機序の一つとしてβARとG蛋白の結合解離(uncoupling)が考えられる。不全心においてはβARキナーゼ1(βARK-1)の活性化によりβARのuncouplingが起こる。in vitroの実験でアンジオテンシンII(AII)受容体の下流にあるプロテインキナーゼC(PKC)がβARK-1を活性化させることが報告され,in vivoにおいてもAIIとβARの両シグナル伝達間に細胞内クロストークの存在することが想定される。 本研究ではAII受容体拮抗薬(ARB)の投与によりこのクロストークを介してβARのシグナル伝達を変化させ,心筋梗塞(MI)後の左室(LV)機能が改善される可能性について検討した。 左冠動脈結紮によるMIラットモデルを作成し,梗塞4週後に10mg/kg/日のカンデサルタンを2週間投与した投与群と非投与群に無作為に割り付けた。Sham手術群を対照群とした。投与群と非投与群ともに同程度にLV径増大,LV機能低下を認めた。イソプロテレノール(ISO)で刺激した際のLV max dP/dtの上昇は非投与群では低下したが,投与群では回復が見られた。非投与群の非梗塞部心筋において高親和性βARの比率およびISO刺激下のcAMP産生能は,対照群と比較していずれも低下した。この結果は非梗塞部心筋においてβARのuncouplingが生じていることを示すが,投与群では軽減された。イムノブロット法によると,非投与群の膜分画におけるβARK-1の発現亢進はARBによって抑制された。また,膜分画におけるPKC-εの蛋白発現は投与群の方が非投与群よりも低かった。他のβARKおよびPKCアイソフォームの発現については3群間で差がなかった。 以上の結果からARBの投与によりMI後の不全心筋におけるβARのシグナル伝達が改善され,この現象の原因としてβARK-1とPKC-εを介したAIIとβAR間のシグナル伝達のクロストークが関与した可能性があると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)