肝悪性腫瘍に対する化学放射線療法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13770525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Kyoto University (2002) Kinki University (2001) |
Principal Investigator |
鈴木 実 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (00319724)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肝悪性腫瘍 / 化学放射線療法 |
Research Abstract |
実績報告書 1.ラット肝腫瘍モデルを用いたシスプラチン(CDDP)のPharmacokinetic study:肝動注および静注群2群にわけて検討した。シスプラチン投与後15,30,60分後にラットを犠牲死させ、腫瘍、正常肝のプラチナ(Pt)濃度を測定した。 (1)肝腫瘍:腫瘍内のPt濃度は動注では15,30,60分後にそれぞれ、3.44±1.54、2.99±1.64、2.14±0.56μg/g、静注では15,30,60分後にそれぞれ、3.44±1.54、2.99±1.64、2.14±0.56μg/gであった。15分(p=0.0295),30分(p=0.0490),60分(p=0.0019)と肝腫瘍内のPt濃度は動注のほうが静注より有意差をもって高値を示した。 (2)肝臓:肝臓内のPt濃度は動注では15,30,60分後にそれぞれ、3.86±1.61、3.68±1.53、2.71±0.48μg/g、静注では15,30,60分後にそれぞれ、2.17±0.39、2.81±0.41、2.20±0.68μg/gであった。15分(p=0.0346)の時点では肝臓内のPt濃度は動注のほうが静注より有意差をもって高値を示した。30分、60分の時点では有意差は認められなかった。 2.CDDP動注の肝腫瘍および肝細胞に対する放射線照射効果: (1)肝腫瘍に対する効果:colony formation assayにより検討した。CDDP動注群ではsurvival fractionは2Gy,4Gyで、0.24±0.17、0.09±0.07、生食動注群では、0.53±0.14、0.14±0.08とCDDP動注群でより強い殺細胞効果を認めた。 (2)正常肝細胞に対する効果:Micronucleus assayを用いて検討した。MN0fr(Micronucleusが出現しない細胞の分画)は、CDDP動注群では2Gy,4Gyで、0.75±0.04、0.72±0.06、生食動注群では、0.70±0.04、0.52±0.03と4Gyでは生食動注群がより強い照射効果を受けた。 [結論]:γ線照射により、肝腫瘍に対してはCDDP動注により、生食動注群と比較し高い殺細胞効果が得られた。一方肝細胞に対しては、CDDP動注により照射効果が増大する結果は得られなかった。以上の結果より、肝腫瘍に対するCDDP動注を用いた化学放射線療法(chemoradiation)は、有効な治療方法となる可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)