双極性感情障害とてんかんの共通病態としての異常スウィッチング機構形成機序解明:シナップス蛋白複合体形成-分離過程調整による新たな精神・神経疾患薬物治療開発の試み
Project/Area Number |
13770532
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岡田 元宏 弘前大学, 医学部, 助手 (10281916)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | てんかん / 感情障害 / シナプス蛋白 / カルシウムイオンチャネル / 開口分泌 / 蛋白相互作用 / セロトニン / ドパミン |
Research Abstract |
中枢神経系内における、カルシウムイオン動態の神経伝達物質開口分泌機構に与える影響と、カルシウムイオンシグナルカスケードに対する抗てんかん薬ゾニサミドとバルプロ酸ナトリウムの効果を検討した。N-型カルシウムイオンチャネルを通過し細胞内に流入したカルシウムイオンは粗面小胞体上に分布するイノシトール三リン酸受容体を活性化し、細胞内カルシウムストアーからのカルシウム流入を発現させる。一方、P-型カルシウムイオンチャネルを通過し細胞内に流入したカルシウムイオンは、粗面小胞体上に分布するリアノジン受容体に内蔵されているカルシウムイオンチャネルを活性化し、細胞内カルシウムストアーからのカルシウム流入を発現させる。非興奮時では、N-型カルシウムイオンチャネル・イノシトール三リン酸受容体機能的複合体が神経伝達物質開口分泌機構を有意に制御していた。しかし、過剰興奮時では、N-型カルシウムイオンチャネル・イノシトール三リン酸受容体とP-型カルシウムイオンチャネル・リアノジン受容体の機能的複合体の序列が乱れ、P-型カルシウムイオンチャネルを通過したカルシウムイオンはリアノジン受容体だけではなくイノシトール三リン酸受容体をも活性化し、同様にN-型カルシウムイオンチャネルを通過したカルシウムイオンはリアノジン受容体とイノシトール三リン酸受容体を活性化した。抗てんかん作用・情動安定化作用を有するゾニサミド・バルプロ酸ナトリウムは、N-型カルシウムイオンチャネル・イノシトール三リン酸受容体複合体機能を亢進し、逆にP-型カルシウムイオンチャネル・リアノジン受容体複合体機能を抑制した。以上の実験結果は、ゾニサミド・バルプロ酸ナトリウムは細胞内カルシウムイオンのシグナルカスケードの交差性を補正することで抗てんかん作用・情動安定化作用を発現する可能性を示唆する。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)