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精神分裂病における神経栄養因子を介したシナプス可塑性の異常に関する研究

Research Project

Project/Area Number 13770539
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field Psychiatric science
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

高橋 誠  新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40323985)

Project Period (FY) 2001 – 2002
Project Status Completed (Fiscal Year 2002)
Budget Amount *help
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Keywords精神分裂病 / フェンサイクリジン / 脳由来神経栄養因子 / 分子生物学
Research Abstract

昨年度までの研究では、NMDA受容体の阻害剤であるフェンサイクリジン(PCP)を成熟ラットに投与すると、後部帯状回を中心とした大脳新皮質と嗅内野でBDNFのタンパク発現が増強されることを確認した。この変化はPCPの急性効果によるものであり、慢性投与による持続的な脳機能の変化は起こらないものと考えられた。また、NMDA受容体のε2サブユニット遺伝子が欠損したマウスでは、成熟脳の大脳皮質と海馬でBDNFの著明な発現低下がみられたことから、NMDA受容体の発達・成熟過程によりBDNFの発現は大きく変化するものと推察された。
そこで今年度は、NMDA受容体サブユニットの遺伝子発現が変動し受容体機能が未成熟である新生児期にPCPを投与した。PCP(10mg/kg)を新生ラットに2週間(生後3〜16日)投与したところ、生後17日の脳内BDNFタンパク量は海馬と嗅内野において有意に増加していた。さらにこの増加は8週齢まで持続していた。成熟脳ではPCPの効果が一過性であり海馬のBDNFに変化がおこらないこと、NMDA受容体サブユニットの遺伝子欠損マウスではBDNFの発現が逆に低下することを考慮すると、新生児期のPCP投与による海馬BDNFの持続的増加は、脳機能に特異な変化が起きたことを示唆するものと考えられた。
新生児期のPCP投与による行動変化を解析したところ、基礎運動量の増加、音声驚愕反応に対するprepulse inhibitionの低下、social interactionの減少が観察された。これらの行動変化は成熟ラットヘのPCP投与により誘発され、精神分裂病のモデルと考えられている。
海馬におけるBDNFの増加は、既に精神分裂病の患者死後脳でも報告された。今回の結果はNMDA受容体の発達段階における侵襲が、BDNFを介した脳機能の成熟に持続的な変化をもたらすことを示唆している。

Report

(2 results)
  • 2002 Annual Research Report
  • 2001 Annual Research Report

URL: 

Published: 2001-04-01   Modified: 2016-04-21  

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