遺伝子改変マウスを用いたエリスロポエチン受容体の機能解析と多血症病態モデルの作製
Project/Area Number |
13770570
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
向井 陽美 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80323301)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | エリスロポエチン受容体 / GATA-1 |
Research Abstract |
EPOR変異体によるEPORノックアウト(KO)マウスのレスキュー:血球特異的に発現する遺伝子制御領域(GATA-1HRD)に、EPOR細胞内ドメイン変異体(SHP1結合部位欠損、SHP2結合部位欠損)cDNAを結合させたトランスジーン(Tg)を持つTgマウスを作製した。上記TgマウスとEPORヘテロマウスの交配により、EPORヘテロ体かつTgを有するマウス(EPOR+/-::Tg(+))を得、EPOR+/-との交配により、内因性のEPORを保有せず、外来性のEPOR変異体遺伝子のみを有するレスキューマウス(EPOR-/-::Tg(+))の作製を試みた。この手法で、全長型cDNAのTgではEPOR KOマウスのレスキューが可能であるが、SHP1結合部位、SHP2結合部位欠損Tgではレスキューできず、貧血により胎生致死となることがわかった。GATA-1HRD制御下でのEpoR発現には、EpoRのC末端領域が必要であると考えられ、PI-3kinaseによるアポトーシス抑制の重要性が示唆された。 貧血、血小板増多を示すマウスの原因の特定:SHP1結合部位欠損マウス3ラインのうち1ラインで、Hb5-8g/dlの貧血、および150-240万/μlの血小板数増多を呈するマウスが出現した。このような表現型はTgを2つのアレルに持つマウスのみに認められ、またTgの発現量に関係ないことからTgが挿入された部位特異的な変化であると考えた。マウス骨髄細胞、胎児肝細胞で行った解析から、c-kit、Sca-1ダブルポジティブ細胞の増加、巨核球-血小板系の増加、および赤芽球の減少が認められた。巨核球系、赤血球系の共通の造血幹細胞から赤血球系への分化が進まず、巨核球へ分化が進んでしまうものと予想される。Tg断端部位の検索により、Tgはマウス10番染色体上、c-Mybの約80kbp上流に挿入されていることが判明した。Tg挿入により影響を受けた遺伝子の特定をBACおよびESTを用いて進めている。BACRP-24 63G10を用いたノザンブロットでTgマウスではmRNAの発現が低下していることが判明した。このBACを用いて新たな造血調節因子の同定を進めると同時に、BAC Tgマウスを作製し、レスキューを試みているところである。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)