Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
AML1は(8;21)転座型白血病にて再構成を受ける遺伝子として同定され、(8;21)転座以外の白血病発症にも高頻度に関与することが知られている。さらにAML1は造血細胞の発生や分化に必須の役割を果たす転写因子であるが、その機能制御の詳細な機構は不明である。近年、ヒストンアセチル化酵素(HAT)による転写因子のアセチル化が新たな制御機構として注目されているが、本研究では昨年までにAML1がHATの一種類であるp300と結合し、p300によってアセチル化を受けること、その標的アミノ酸残基が24番目と43番目のリジン(K24およびK43)であることを報告した。さらにこのアセチル化により、AML1のDNA結合能および転写活性化能が上昇すること、NIH3T3細胞に対する造腫瘍能にもアセチル化が必要なことを示した。さらに本年は、実際にp300によりAML1のK24およびK43にin vitroでアセチル基が付加されることを、ペプチドを用いた質量分析法で示した。また、ヒト急性リンパ性白血病細胞株であるMOLT-4細胞を[^3H]acetateでラベルすることにより、造血細胞において内因性のAML1がアセチル化を受けることを明らかにした。これらの結果はAML1がp300によってアセチル化されることをより確実にし、また造血細胞においてもAML1機能のアセチル化による制御機構が存在することを示すものである。
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