Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
癌抑制遺伝子の不活化は各種悪性腫瘍の発生の主要な原因であり、小児急性リンパ性白血病(ALL)においても、その発症に関与するものとして、p53,Rb, p16等多数の癌抑制遺伝子に関する研究がなされてきた。しかしながら、それらの研究の多くは、初発時の検体を用いて行われており、再発時に生じている遺伝子異常に注目した研究はあまりなされていない。それゆえALLの再発に関与している癌抑制遺伝子の発見がその再発のメカニズムを理解する上で極めて重要である。本年度行った研究にて、申請者は以下の二つの知見を得た。 1 再発小児急性リンパ性白血病における癌抑制遺伝子のメチル化の検討。 10例の再発小児急性リンパ性白血病検体を用い、11種類の癌抑制遺伝子のプロモーターのメチル化の分析を行った結果、再発時にp16,MGMT, RARβ遺伝子のプロモーターがメチル化していることが判明した。次に、この再発時の結果と、それらの検体の初発時のメチル化解析の結果を比較した。いくつかの遺伝子は初発時と再発時に同じメチル化を示していたが、FHIT遺伝子は初発時のみにメチル化しており、ほかにも初発時と再発時に異なるメチル化パターンを示す遺伝子が認められた。 2 リンパ系腫瘍細胞株におけるマイクロサテライト不安定性およびその標的遺伝子の変異の検討。 49のリンパ系腫瘍細胞株を検索した結果、12細胞株においてマイクロサテライト不安定性が認められた。また標的遺伝子として、BLM, caspase-5,TCF-4,PTEN遺伝子の変異が認められた。この結果よりマイクロサテライト不安定性およびその標的遺伝子の変異がリンパ系腫瘍細胞株の樹立に深く関与している事が明らかになった。
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