腎微小循環調節機序におけるRho-Kinaseの生理的・病態生理学的意義の解明
Project/Area Number |
13770594
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有馬 秀二 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60323010)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | Rho-kinase / 糸球体血行動態 / 輸入細動脈 / 輸出細動脈 / アンジオテンシンII / 高血圧 / (慢性)腎疾患 |
Research Abstract |
腎糸球体輸入細動脈と輸出細動脈は腎微小循環(糸球体血行動態)の調節に重要な血管部位であり、それらの血管抵抗バランスは糸球体血行動態の決定因子の1つである。各種腎疾患の発症・維持および進行には糸球体血行動態異常に基づく腎血管抵抗の異常や体液量調節機能障害が深く関与していることから、これらの血管抵抗調節機序およびその細胞内シグナル伝達機構を解明することは、各種腎疾患の病態を理解するうえで重要である。我々は昨年度、アンジオテンシンII(AII)による輸出入細動脈の収縮がRho-kinaseの選択的阻害薬により有意に減弱することを報告した。AIIによる輸出細動脈の収縮は糸球体高血圧を引き起こし、腎疾患における尿蛋白の増加や腎障害の進行に直接関与することが明らかにされている。したがって、Rho-kinaseを阻害することにより糸球体高血圧が改善されて腎機能障害の進行が抑制される可能性が示唆される。そこで我々は今年度、慢性腎不全のモデルにRho-kinaseの阻害薬を投与することで腎機能障害の進行が抑制できるかどうかをin vivoの実験系を用いて検討した。自然発症高血圧ラットに5/6腎摘を施行して作成した重症高血圧合併慢性腎不全モデルラットに経口投与可能なRho-kinase阻害薬であるFasudilを投与したところ、非投与群に比して尿蛋白が有意に減少するとともに血清クレアチニンの増加速度が抑制された。これらの効果は腎保護作用を有することが既に知られているAII受容体拮抗薬と同等であった。したがって、Rho-kinaseを阻害することにより腎障害の進行を有意に抑制し得ると考えられ、慢性腎疾患における新たな治療法の可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)