新生仔ブタ胎便吸引症候群モデルにおける肺サーファクタント代謝の研究
Project/Area Number |
13770624
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Embryonic/Neonatal medicine
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小俣 真 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70286045)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 胎便吸引症候群 / 新生仔ブタモデル / 肺サーファクタント / サーファクタントサブタイプ |
Research Abstract |
胎便には肺表面活性物質に対する強い阻害作用があり、胎便吸引症候群(MAS)では機能的に肺サーファクタントが欠乏した状態にあると考えられる。前年度は肺サーファクタントサブタイプの転換促進をin vivoにおいて証明した。今年度は肺サーファクタントの表面活性阻害のメカニズムにつき引き続き検討した。 【方法】 日齢0の新生仔ブタに20%ヒト胎便5ml/kgを経気道的に投与してMASモデルを作製した。対照群には同量の生理食塩水を投与した。その後人工換気を6時間行ったのちに、気管支肺胞洗浄液(BALF)を回収した。両群の個体数はMAS群6、対照群9とした。低速遠心にて細胞成分を除去した上清においてその表面活性(pulsating bubble surfactometerによる測定)、またBALFと肺組織中の、総蛋白質量とリン脂質量、BALFのリン脂質構成とフォスフォリパーゼA_2(PLA_2)活性について検討した。脂質抽出はBligh-Dyer法、リン含量定量はRouser法を用いた。PLA_2活性測定にはsPLA_2 assay kit (cayman社)、陽性コントロールにはBee venom PLA_2を使用した。 【結果】 BALFの表面吸着(48.9±2.8N/m vs 39.8±2.5,P=0.03)、pulsation5分後の最小表面張力(25.6±1.9N/m, vs 16.0±1.4,P=0.001)ともにMAS群で有意に大きく、表面活性の阻害を認めた。肺組織中の総蛋白質量とリン脂質量に差を認めなかったが、BALF中ではMAS群において総蛋白質量は増加し(47.5±1.5mg/g肺乾重量 vs 23.8±2.1, P<0.0001)、リン脂質量は減少している(35.1±4.2mmol/g肺乾重量 vs 51.8±3.7,P=0.01)ことが示された。BALFのリン脂質構成は、1次元薄層クロマトグラフィーで評価し、MAS群においてフォスファチジルコリンの低下(41.1±0.6 vs 50.9±1.5,P=0.0002)とリゾフォスファチジルコリンの増加(6.4±05 vs 4.2±0.6,P=0.02)を認めた。BALF中のPLA_2活性は、MAS群BALFで有意に増加していることが示された(1.477±0.2980 vs 0.572±0.071nmol/min/ml(P<0.0001)。 【結語】 今回のMASモデルにおいては、BALF中のリン脂質量とその構成・蛋白質量が変化、PLA_2活性が増加していることが確認され、肺サーファクタントの表面活性障害に関与していることが推測された。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)