Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
脂肪細胞が産生する食欲抑制因子レプチンの受容体が血小板に発現していること、特に血小板においては肥満者の血中濃度のレプチンにより各種agonistによる凝集が促進されることを報告した。これまで肥満と虚血性心疾患の関係において、PAI-1の関与が示唆されてきたが、PAI-1は線溶系の阻害物質であり、どちらかと言えば静脈血栓の形成に関与すると考えられる。これに対し、レプチンの血小板凝集促進作用は動脈血栓の形成の起因に関与すると考えられ、動脈血栓の疾患である虚血性心疾患、脳血管性疾患の病態により重要であると考えられる。本研究ではレプチンの血小板凝集促進作用の機構を検討した。レプチン受容体からの細胞内情報伝達機構を検討し、JAK2を介してG蛋白質型受容体の作用増強を起こす事を見い出した。本年度はG蛋白質型受容体の作用増強の機構を解明する。特にチロシンキナーゼの関与を重点的に検討し、JAK2およびfynを介してG蛋白質のGqα-subunitがリン酸化されG蛋白質型受容体の作用増強が惹起される事を見い出した。この情報伝達系の解析は新規抗血小板薬の標的分子を同定する物である。
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