Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
目的:食道癌の発生・進展に関与するゲノム異常を,RLGS法を用いて同定し,早期診断と悪性度診断への臨床応用を目指す.癌と非癌部の鑑別,悪性度評価,化学療法や放射線治療への反応性の予測に有用なゲノム異常を明らかにする. 研究の背景,特徴:これまでの研究から食道癌に関連するゲノム異常が明らかにされてきた.例えば,進行食道癌においてCyclinD1遺伝子やEGFRの遺伝子増幅が認められ,予後との関連も証明されてきた.また,前癌病変において癌関連遺伝子の増幅が認められることがわかってきた.しかし,いまだゲノム異常の解析は十分に行われているとはいえず,食道癌の発生・進展に関与していると思われる未知のゲノム異常の早急な発見,および臨床への応用が望まれている. 研究方法:未知の癌関連遺伝子の検出法として,ゲノムDNA上の制限酵素サイトに直接ラベリングしてランドマークとして用い,高分解能二次元電気泳動法により,1枚の画像上に展開して一度に数千のゲノム情報を検出することが可能であるRLGS法を用いて,食道癌切除検体,内視鏡生検検体におけるゲノム解析を行う. 研究結果:(1)食道扁平上皮癌細胞株のRLGSプロファイルをヒト正常リンパ球由来のものと比較したところ,細胞株由来DNAに特異的なスポット変化が認められた.(2)食道癌切除検体の癌部および非癌部より抽出したゲノムDNAのRLGSプロファイルを比較することにより,食道癌に特異的なゲノム変化を同定した.スポットのクローニングにより,ヒト染色体10番のRP11-137H2と93%の相同性を示したが,既知の癌関連遺伝子との関係は明らかでなかった.(3)ゲノムのメチル化状態を把握するために,二次元電気泳動のランドマーク酵素にNot Iを使用し,ゲノムDNAに脱メチル化物質を作用させたところ,controlと比較してスポット変化を認めた.
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