Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
原発性肺癌に対して,肺葉切除およびリンパ節郭清を施行した症例を対象とした.術前,術後3時間,6時間,第1病日,第2病日,第3病日,第5病日の血清中および胸水中の血管内皮増殖因子(VEGF), interleukin-8(IL-8), interleukin-6(IL-6)をELISA法にて測定した.血清中のIL-8,IL-6のピークは術後3時間から6時間であった.これに対して,胸水中の濃度は血清中の100倍程度であった.ピークは術後6時間から第1病日とずれを認めた.しかしながら,胸水中の単位時間当たりの産生量は,血清中と同様の推移であった.また,胸水中のIL-8は第3病日以降に再上昇した.VEGFの胸水中の濃度は血清中の濃度の10倍程度であった.VEGFの胸水中の濃度もIL-8と同様に第3病日以降再上昇した.以上より,肺癌術後において,血管新生因子であるVEGFとIL-8は,血清中(全身)よりも胸腔内(局所)においてより高濃度で存在することが確認された.さらに,これらが第3病日以降に再上昇することは,炎症性サイトカインであるIL-6とは異なる推移であることも確認された.また,摘出標本におけるVEGFの発現と術後の推移には有意な関係は認められなかった. これをふまえて,小動物における肺切除後のVEGFやIL-8の測定や周術期の抗VEGF抗体投与の研究を開始した.まず,ラットに肺切除をおこない,これを安定的に長期生存させるモデルを確立した.このモデルをもちいて肺切除後のVEGFやIL-8を測定したところ,ヒトと同様の推移であることが確認できた.現在,肺癌細胞を移植した肺切除モデルにおいて,抗VEGF抗体非投与群,抗VEGF抗体腹腔内投与群,抗VEGF抗体胸腔内投与群を作製し,各群間でのVEGF濃度の推移,移植した腫瘍細胞の増殖程度を検討中である.
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