Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
【要旨】急性腰痛発症の原因として重量物挙上動作は最も多いものの一つであるが,この動作における脊椎の弾性破綻を3次元動作解析手法により明らかにした.挙上姿勢,体幹装具の装用やいきみ(Valsalva)などが脊椎の弾性破綻に少なからぬ影響を与えていることが明らかとなった.急性腰痛に関する労働災害、スポーツ傷害等の頻度は多く,これらを予防する意義において重要な知見であると考えている。 【方法-その1-】対象は腰痛を認めない健常人ボランティア22人とした。等運動性重量物挙上動作の初期に見られる脊椎の撓みを3次元動作解析装置(VICON system)によって定量的に解析した.第1胸椎(T1),第5胸椎(T5),第9胸椎(T9),第12胸椎(T12)及び第5腰椎(L5)棘突起部の皮膚上に反射マーカーを張り付けた.脊椎の撓みは他動的屈曲(passive flexion of the spine ; PAFS)とし、T1-L5,T9-L5,T12-L5の反射マーカー間の距離(T1-L5 distance, T9-L5 distance, T12-L5 distance)の挙上動作初期にみられる短縮値を以って評価した。また,線分T1-T5,T12-L5のなす角度(TL angle)を胸腰椎間の矢状面アラインメントの指標とし,挙上動作初期にみられる角度減少値を以って脊椎の撓みの評価とした. 【方法-その2-】重量挙げに用いられる腰部ベルト装着,いきみ(Valsalva)の有無によるT1-L5 distance, T9-L5 distance, T12-L5 distance, TL angleの変化を比較検討した. 【結果-その1,2-】重量物挙上動作初期にPAFSは観察され,重量物に加速度が発生する直前に消失した.重量物挙上動作初期に見られるPAFSがT1-L5 distance, T9-L5 distance, T12-L5 distance, TL angleにより検証可能であり,挙上重量の増加に伴いPAFSも増加した.腰部ベルトの装用,いきみの両者によりPAFSは減少した.
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