Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究では前立腺癌がホルモン依存性より不応性になる過程をホルモンレセプターに焦点を当てるのではなく、レドックス回路が癌組織の増殖・ホルモン不応化の過程でどのような役割を果たしているかを明らかにすることを目的とする。そこで本年度は、昨年度に引き続きホルモン不応性前立腺癌におけるレドックス回路を臨床検体および細胞株を用いて検討したことに加えて、ホルモン感受性のあると思われる臨床検体およびホルモン応答性の前立腺癌細胞を用いて検討した。1.臨床試料の解析昨年度に続き可及的多数の手術および生検標本として得られる前立腺癌の臨床試料に関してRef-1およびチオレドキシン抗体を用いて免疫組織染色をすることによりその局在と染色度を確認し臨床像と対比した。また本年度はホルモン療法後の臨床検体や生検によるホルモン不応性の前立腺癌組織を用いて検討した。2.前立腺癌細胞株による検討昨年度に続きホルモン依存性前立腺癌であるLn Cap、ホルモン不応性癌であるPc 3およびDU145におけるRef-1およびチオレドキシン抗体を用いて免疫組織染色をすることによりその局在と染色度を確認しホルモン不応性の度合いと対比を行なった。またウエスタンブロット法を用いて定量化した。本年度は、ホルモン非添加培地と添加培地を各細胞で比較検討した。加えて酸素濃度の変化における各細胞の変化も検討した。