Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
【目的】前立腺癌の罹患率は欧米で高く,日本を含むアジアで低い.しかしラテント癌の頻度は欧米とアジアで差は無く,日本人が米国に移民すると前立腺癌の罹患率が高くなる.したがって前立腺癌がラテント癌から臨床癌になるには環境因子が重要と考えられ,疫学調査より脂肪摂取が前立腺癌のリスクファクターの1つとして挙げられている.多価不飽和脂肪酸のうち,リノール酸,アラキドン酸を代表とするn-6系多価不飽和脂肪酸は欧米の食事に多く,n-3系多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸,ドコサヘキサエン酸はアジアで摂取の多い魚に多い.したがって欧米とアジアの食生活の差が前立腺癌の罹患率の差に関係しているのかもしれない.そこで多価不飽和脂肪酸の前立腺癌に対する効果を検討した.【方法】ヒト前立腺癌細胞株PC-3,LNCaPに種々の脂肪酸を添加して培養し,細胞数をCell Counting Kit-8(同人化学)で経時的に測定した.【結果】PC-3,LNCaPに5,50μMのエイコサペンタエン酸,ドコサヘキサエン酸を添加すると細胞数は非添加群と同様に経時的に増加したが,500μMのエイコサペンタエン酸,ドコサヘキサエン酸を添加すると細胞数は減少した.一方n-6系多価不飽和脂肪酸であるリノール酸,アラキドン酸をPC-3,LNCaPに添加しても,エイコサペンタエン酸,ドコサヘキサエン酸と同様に5,50μMでは非添加群と同様に細胞数が増加したが,500μMでは細胞数が減少した.【考察】PC-3,LNCaPに500μMのエイコサペンタエン酸,ドコサヘキサエン酸を添加すると増殖が抑制されたが,リノール酸,アラキドン酸でも同じ結果であったので,脂肪酸の物性等による非特異的な現象と考えられ,少なくともin vitroでは前立腺癌の増殖に対して脂肪酸分子種に特異的な効果は認めなかった.
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