Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
TNF-αによるplgR遺伝子発現がレチノイン酸によって増加するメカニズムについて,特に転写レベルでの制御について詳細に検討した。 1)レチノイン酸によるNF-κBの変化について HT-29細胞において,TNF-αによるpIgR遺伝子発現にはNF-κBが関与していることがすでに明らかである。そこで,レチノイン酸によりNF-κBの活性化に変化があるかを検討する目的で,HT-29細胞をTNF-α単独,またはTNF-αとall trans-レチノイン酸で90分間刺激し,nuclear extractを調製してpIgR 5'上流域に存在するNF-κB結合部位(κB2)をプローブとしてgel shift assayを行った。その結果,レチノイン酸を加えることでκB2に結合するNF-κBの量に変化は見られなかった。 2)retinoic acidがRNA polymerase IIに及ぼす影響について レチノイン酸によるpIgR遺伝子発現量の増加が,転写の活性化によるものなのか,それともmRNAの安定性によるものなのかを検討する目的で,HT-29細胞をTNF-α単独またはTNF-αとall trans-レチノイン酸で48時間刺激後,RNA polymerase II阻害剤である5,6-dichloro-1-β-ribofuranosyl-benzimidazole(DRB)を加えて0,1,3,6時間後のpIgR mRNA量の変化をnorthen blot法により検討した。その結果,TNF-α単独ではDRBを加えることでpIgR mRNA量が減少した。しかしながらall trans-レチノイン酸を加えても,DRBによるpIgR mRNA量の変化は見られなかった。 以上の結果からレチノイン酸によるpIgR遺伝子発現の増加は,転写の活性化ではなくmRNAの安定性が増加することによるものであることが示唆された。
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