Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究課題は,早期発症型歯周炎(EOP)患者の疾患感受性を規定する抗原分子をアミノ酸レベルで同定するために,1)Omp34を認識するEOP患者末梢血由来ヘルパーT細胞株を樹立し,2)そのT細胞株のOmp34上におけるT細胞認識部位を同定することによって,歯周病に対する診断および免疫療法の基礎を築くことを目的とする。昨年度までに,Omp34の全アミノ酸配列を網羅するオーバーラップペプチドを作成した。また,A.actinomycetemcomitansに対して高いIgG血清抗体価を示すEOP患者1名の末梢血単核球から,Omp34を特異的に認識するヘルパーT細胞株を樹立した。本年度は,1)作成したOmp34のオーバーラップペプチドにおいて,被験患者のT細胞株が認識するペプチドを特定し,2)既報のHLAのアミノ酸結合モチーフと照らし合わせることを行なった。その結果,以下の成果を得た。1)32種類のオーバーラップペプチドのうち,T細胞株が認識するペプヂドを4種類特定した。それは,Omp34を構成する325残基のアミノ酸において,1〜21残基目,161〜180残基目,171〜190残基目および241〜260残基目に位置するペプチドであったが,これら4種類のペプチドには,Y-X-X-X-X-(A or G)-X-X-Aという共通な配列が存在した。2)この配列は,被験患者が有するHLA-II alleleの一方であるDRB1^*0101のモチーフに相似することが判明し,Y, A or G,およびAをアンカー残基として結合し得ることが推測された。これらの結果は,患者集団におけるOmp34に対するT細胞応答性を規定するT細胞エピトープを同定することを可能とし,歯周病の免疫病理的な診断およびペプチド免疫療法に発展させる基礎を確立することにおいて貢献するものである。
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