プロトン酸・遷移金属錯体複合触媒の開発と新規ヘテロ原子化合物の合成
Project/Area Number |
13771323
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有澤 美枝子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50302162)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 遷移金属錯体 / 付加反応 / スルホン酸 / ホスフィン / 1,3-ジエン / ジスルフィド / アレン / ヘテロ元素化合物 / 1,2-付加体 / アルキルホスホニウム塩 |
Research Abstract |
遷移金属触媒とスルホン酸を組み合わせると炭素-炭素不飽和化合物へのヘテロ元素化合物の付加反応が著しく促進されることを見出した.このような複合触媒系は従来ほとんど検討が行われていない.本研究の目的はこの方法論の一般性を検討するとともに,新しいヘテロ原子化合物合成のための触媒反応を開発するものである.すでにこの触媒系を用いてアセチレンとアレンへのホスフィンの付加反応が位置および立体選択的に進行することを明らかにしている.今回共役ジエンへの付加反応を検討した結果,ホスフィンと水素がそれぞれ1,3-ジエンの1位と2位の炭素に選択的に付加したアルキルホスホニウム塩を高収率で与えることがわかった(anti-Markovnikov mode).通常遷移金属触媒によるジエンへの求核剤の付加は,多くの場合π-アリル中間体を経由して1,4-付加体を与えるのに対し,本法では、anti-Markovnikov配向の1,2-付加体が選択的に生成する点で反応機構的にも興味深い.現在,単純なオレフィンへの付加反応を検討中である.またこれまでに,複合触媒系を用いるとアセチレンにジスルフィドが開裂1,2-付加することも明らかにしている.同じ触媒系を用いてアレンとジスルフィドの反応を検討した結果,(E)-1,3-ジエニル-2-スルフィドと(E)-アルケニル-2-スルフィドを与えることがわかった.添加するホスフィンの種類を変えると,ジセレニド化合物の開裂付加反応にも適用できた.アセチレンとの反応ではジスルフィドが開裂1,2-付加するのに対し,アレンではジスルフィドまたはジセレニドが開裂してアレン二分子にアルキルチオ基が一つずつ移動するとともに,アレン間で水素移動が起こることは興味深い.今後は,不飽和化合物への種々のヘテロ元素化合物の付加反応に発展させたい.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)