光学活性含窒素化合物の効率的合成を目的とした新規キラル触媒の開発
Project/Area Number |
13771326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石谷 暖郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 講師 (50302617)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | メゾ構造体 / メソポーラスシリカ / MCM-41 / 有機合成反応 / アルドール反応 / Friedel-Craftsアシル化反応 / 不斉酸化反応 / 不斉合成 / マンニッヒ反応 / メソ多孔体 / 酸触媒 / フリーデルークラフツ反応 / 固体触媒 |
Research Abstract |
固体触媒を用いる精密有機合成の開発が様々なアプローチによって進行する中、筆者はメゾ多孔体を活用する反応設計を試みた。MCM-41(以下M41)は規則的ヘキサゴナル細孔を有するメゾ多孔性シリカであり、細孔内は広大で均一な平面である。筆者はこの空間が一般的な有機化合物の反応場として非常に興味深いと考えた。 1.M41の酸特性を活かした有機合成 M41の細孔壁はアモルファスであり、その酸強度は低く、有機合成反応の酸触媒として利用することは困難であろうと考えられる。ところが、少量のM41存在下、Diels-Alder反応、向山アルドール反応、Firedel-Crafts反応がそれぞれ円滑に進行することを見出した。向山アルドール反応においては、アセタール類を選択的に活性化することを見出した。さらに、M41による活性化機構を検討し、不純物として含まれているA1や表面積による影響を否定し、細孔構造の規則性が酸特性発現の鍵となっていることを見出した。 2.M41上での不斉酸化反応 M41にTiイオンを担持し、過酸化水素を酸化剤としてスルフィド類を酸化すると酒石酸存在下で不斉酸化反応が進行することが筆者の研究室において見出された。そこで不斉源の構造、修飾方法について検討を行った。まず選択性を網羅的に評価するため反応進行程度をパラメータとして導入し、これにより選択性が一義的に決定されていることを見出した。また、不斉源についての知見を得るため様々な光学活性物質を用いたところ、α-ヒドロキシカルボン酸が必須ユニットであり、この絶対構造が生成物の立体化学を決定すること、このユニットに続くβ位の不斉中心が選択性に大きな影響を与えることを見出した。この条件を満たすタートラニル酸を用いた場合、酒石酸を上回る選択性の獲得に成功した。これにより、本不斉反応の新たな可能性を示すことができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)