Project/Area Number |
13771344
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐藤 達典 京都薬大, 薬学部, 助手 (20205933)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | アリールラジカル / ラジカル1,5-シフト / tributyltin hydride / α-アシルアミノラジカル / エナミド / コンフォーメーション |
Research Abstract |
本研究は、ラジカル1,5-シフトがエナミド類で進行することを明らかにし、さらにその合成化学的な有用性について検討することを目的とする。平成13年度期間中に得られた成果を以下に列挙する。 1. Benzyl N-[1-(o-iodophenyl)ethenyl]-N-methylcarbamate(エナミド)のラジカル移動反応の検討:市販のo-iodobenzylalcoholをクロロホルム中Mn02で酸化し、得られたベンズアルデヒドをEt_2O中benzylmagnesim chlorideと反応させてアルコールとし、さらにSwern酸化によってbenzyl o-iodophenyl ketoneを収率良く得た。これを封管中methylamineと縮合させてイミンとした後、benzyl chloroformateと反応させて基質となるエナミドbenzyl N-[1-(o-iodophenyl)-2-phenylelhenyl]-N-methylcarbamate(ジオメトリーは現時点では不明,85%)を合成した。本エナミドを還流トルエン中Bu_3SnH-AIBN条件下で処理すると、N-methyl基に2^Hの導入された還元成績体が62%の収率で得られた。この結果は、初めに生成するアリールラジカルからラジカル1,5-シフトを経由して新たにα-アシルアミノラジカルが生成したことを示しており、エナミド類においてもラジカル1,5-シフトが効率良く進行することが判明した。 2.光照射条件下でのラジカル移動反応の検討:モデル化合物としてmethyl(3)-2-1[N-(tert-butoxy-carbonyl)-N-(o-iodobenzoyl)amino]propionateを用い、これを(Bu_3Sn)_2(0.5 eq)及びallyltributyltin(1.0 eq)と共にベンゼン溶液中室温にて光照射(for7h)を行ったところ、methyl (S)-2-[N-(o-allylbenzoyl)-N-(tert-butoxycarbonyl)amino]propionate(27%)及びmethyl(3)-2-[N-benzoyl-N-(tert-botoxycarbonyl)amino]propionate(還元成績体,30%)が得られた。一方、モデル化合物をytterbium triflate(1.0eq), AIBN(0.1 eq)及びallyltributyllin(1.1 eq)共存下にジクロロメタン溶液中室温にて光照射(for 15h)を行ったところ、上記アリル化体(11%)及び還兀成績体(74%)が得られた。また、これらの反応で得られた化合物の光学純度の低下は観察されなかった(別途にラセミ化合物を合成し、キラルHPLC分析にて確認)。以上の結果から、室温での光照射下ではアミド基の自由回転が束縛されてコンホーメーションの変化が緩やかなため、アリールラジカルが生成してもラジカル1,5-シフトが進行するためのコンホーメーションを取りにくく、結果的にアリールラジカルの還元やアリル化反応が進行したと考えられる。
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