身体の柔軟性に関する研究―筋・腱特性の実測からのアプローチ
Project/Area Number |
13780013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
体育学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川上 泰雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60234027)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 柔軟性 / 筋・腱特性 / 足関節 / 超音波法 / 性差 / 加齢変化 |
Research Abstract |
関節可動域の規定因子について筋腱複合体の特性の点から検討を行うこと、ストレッチングが筋腱複合体に及ぼす影響を調べること、の2点を目的として以下の研究を行った。 研究1 被検者は185名の健常な中・高年齢者(女性116名、男性69名;48歳〜86歳)であった。被検者は座位をとり、足部を筋力計のフットプレートに固定した。フットプレートは底屈位置を始点として足背屈方向に回転し、あらかじめ設定した受動トルクが生じたときに停止し、その時の足関節角度を計測した。超音波法により腓腹筋内側頭の遠位筋腱移行部の移動から筋線維伸長を計測し、関節角度変化から推定した全筋長変化からアキレス腱伸長を推定した。最大随意等尺性足底屈・背屈トルク、被検者が最大努力で背屈動作を行ったときの足関節角度(能動背屈角度)、下腿前部・後部の筋厚を計測した。 得られた結果から、以下の結論が導かれた。1)受動背屈角度には筋群の伸長抵抗性が影響を及ぼし、これには筋量や筋腱複合体(特に腱組織)の力学的性質が影響する。女性は男性よりも受動背屈角度が大きく、男女とも加齢によって低下する。2)能動背屈角度は伸長される筋群の伸長抵抗性に加えて、それを伸長する筋群の筋力が影響を及ぼす。 研究2 被験者は健常な男女大学生22名(男性8名,女性14名)であった。実験1と同様の方法で足関節を背屈方向に回転したときの受動背屈角度および筋腱複合体長変化を計測した。同一の試技を10回繰り返した。 10回の連続足背屈試行中に徐々に足背屈角度が増加した。筋線維伸長は4回目までは有意に増加したが、それ以降は増加が頭打ちとなった。一方、アキレス腱伸長は後半有意に増加した。連続した受動足背屈中に生じる背屈角度の増加は、はじめは筋線維の、後半は腱組織の伸長によることが示された。ストレッチングはその回数や負荷を工夫することによって筋線維と腱組織双方の伸長性を高める効果を及ぼし得ることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)