Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究は、生活習慣改善の方法として、これまでその有効性が検証されている行動変容技法を活用し、インターネットを通した身体活動促進プログラムの開発及び効果検証を目的としていた。情報のセキュリティについては、パスワード管理し、暗号化技術を用いて、解読キーを第三者からもらう、というシステムを構築した。参加募集にあたっては市の広報を用いた。プログラムでは2ヶ月間で計6回の情報交換が行われた。おおよその手順は、(1)ホームページで参加受付-画面上で問診回答-(受付メール)、(2)第1回課題実施-(アドバイスメール)、(3)第2回課題実施-(アドバイスメール)、(4)第3回課題実施-(アドバイスメール)、(5)第4回-(アドバイスメール)、(6)画面上で最終問診回答、というものであった。ホームページの内容は、(1)健康づくり情報提供(参加目的・準備性などにより内容は異なる)、(2)スキルアップ課題(目標設定、行動契約、達成度評価、実践障害への対処、メリットの確認)、(3)歩数・運動消費カロリー記録-グラフ作成、(4)掲示板、(5)Q&A、(6)健康づくりリンク集、によって構成されていた。企業従業員41名を対象とした介入では、減量希望者で平均減量が-1.9kgという良好な効果が得られたが、地域住民を対象とした介入では、参加者数が11人と少なく、途中脱落者が6名いた。しかし、最後まで継続した参加者の運動実施頻度や運動実践への準備性には向上がみられた。地域住民に対するプログラムでは、ほとんどの参加者が女性であり、インターネットを使い始めたばかりで日常的に接続しているユーザーではなかった。このような層に対するプログラムとしては、1)コミュニケーション機能を最大限活用する、2)トークシステムを用い報酬が高頻度で生じるようにする、などの工夫により定期的なインターネットへのアクセスを促進する必要があると思われる。