Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究は,重要な学習形態の一つと認識されつつある,WWWを利用した分散非同期型の遠隔学習環境を対象としている. WWWを利用した分散非同期型の遠隔学習環境は,地理的制約だけでなく時間的制約からも自由で各学習者が自分のペースで学習できる利点がある.一方,個別学習を基本とするこの学習環境においては,教材の理解に行き詰まった時に適切な指導・助言を得ることが対面授業に比較して困難であり,これが学習の継続を難しくしている原因の一つであると考えられている.学習者が個別に学習を進めており,疑問点を質問する場合に,適切な回答が迅速に得られることが問題の解決に必要である. 本研究では,学習活動の不可欠な一部である質問とその回答をより一般的にコミュニケーションとして捉えた.学習者が発する質疑応答をはじめとするコミュニケーションに基づいて,柔軟に学習者グループを構成・制御する方法を提案し,またこれに並行して協調学習を整理分類も行った.提案手法をウェブ掲示板に応用し,学習者グループを掲示板の個別適応インタフェースとして可視化した.本インタフェースでは,一覧画面で表示される議論スレッドのリストが,ユーザとの関係の深さに応じて3種類に自動的に分類され,関係の深いものから順に並べられる.本インタフェースによりユーザに関連のある情報へのアクセス性の向上が確認された.そして円滑な質疑応答が望めるだけでなく,自分の周囲に所属グループのメンバがいる感覚を視覚的にも持てるため,個別学習で発生し易い孤独感の解消につながることも期待される. さらに学習者同士で動的にグループを構成することにより,どのような効果が生じるかについて,学習者行動をモデル化してマルチエージェントシミュレーションを行った.グループ形成・解消に関する閾値を適当に設定することにより,ユーザの関連情報へのアクセス性を全体として向上できることを示した.
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