Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
1.明星大学の広津千尋教授,国立精神保健研究所の稲田俊哉氏,北尾淑恵氏らとの共同研究により,染色体上のいくつかのマーカーで測定された患者と健常者のCAリピート頻度分布の違いから,遺伝性疾患に関連する遺伝子座位を特定する,という研究を進めてきた。特に,疾患の関連遺伝子を絞りこんだ後に,その近傍の複数のマーカーにおけるCAリピート同時頻度分布が得られている場合には,それらを総合的に解析する手法(haplotype analysis)が必要となるが,本研究では、3因子交互作用を無視した従来の手法の問題点を指摘し,新たにいくつかの対立仮説を想定し,それに応じた検定統計量と,その分布の計算アルゴリズムを提案した。 2.分割表解析の手法として代表的なフイッシャー正確検定法に対して,そのアルゴリズムの改良法を提案した。提案する方法は,解析対象となるデータに偏りがある場合にも,従来のものより効率的な計算を可能とするものである。さらに,このアルゴリズムを,遺伝データ解析におけるHardy-Weinberg平衡仮説の検定問題に適用し,従来法よりもはるかに効率的に検定が行なえることを示した。 3.マルコフ連鎖・モンテカルロ(MCMC)法による高次元の分割表の解析手法の研究を行なった。MCMC法を構成するためには,既約なマルコフ連鎖を構成するための基底の導出が必要であるが,本研究では,従来法の問題点を指摘し,それに代わる計算方法の提案を行なった。提案する方法によって,従来法よりも効率的に極小基底を求めることが可能となり,特に,3元分割表などのいくつかの例に対して,一意極小基底の具体形を求め,その性質を解明した。
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