Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
これまでの研究で,我々のグループで開発した集団的な動き特徴量である優勢領域がサッカーやハンドボールなどの集団球技スポーツの解析や指導材料として有効であることを確認した.この優勢領域は,ある時刻における各選手または各チームの一種の勢力範囲を表しており,その幾何学的な特徴や時間変化から意図的な集団の動き(チームワーク)を定量的に評価することを試みてきた. しかしながら,チームスポーツなどの集団行動から特徴的な動きパターンを抽出するには,各時刻単位の特徴ではなく,ある程度長い時間範囲でのその集団の平均的な動き特徴が必要であると考える.そこで,占有パターンおよび占有率パターンとよぶ新たな特徴量を開発した.優勢領域が空間的な広がりをもつ勢力範囲であるのに対し,これらの特徴量は,各個人または各グループがどれくらいの時間割合で各領域での優位を保っていたかを表すものであり,優勢領域の考え方を時間軸方向に拡張したものであるといえる.占有パターンおよび占有率パターンという特徴量を用いれば,ある短時間の動きも,また,一試合全体の動きも同じ大きさの1つのパターンとして表すことができ,異なる長さの映像同士でも容易に比較することが可能である.これにより,膨大な映像データから全体の動きが類似するようなシーンを抽出したり,逆に全体からみて何か特異な動きがみられるシーンを抽出したりすることも,これまでの実験からある程度可能であることを確認した. また,このような考え方は一般的な集団行動の解析,例えばデパートや駅構内などでの不審人物の検出や,イベント会場などでの人の流量の計測などにも応用可能であると考える.よって,今後は様々な集団行動を対象とした解析およびその評価,また,実際の映像から得られた特徴量を基に集団における個々の人物の動きをモデル化し,種々の集団行動のシミュレーションも行っていく予定である.
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