Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
本研究の目的は,能動カメラの分散協調により,人物の抽出と,複数のカメラ間での人物の追跡を行うことと,防犯画像から不審行動の検出や個人識別を行うことである. 平成13年度は人物の抽出と,複数のカメラによる人物追跡に関する研究を行った.人物追跡のためのカメラとして,能動カメラだけではなく,周囲360度を一度に撮影できる全方位画像センサを併用した. 平成14年度は人物の状態や個体差を認識し,頭部を拡大撮影するため,人物の高さも検出できるようにした.複数のカメラにより撮影された人物画像から人物領域を背景差分により抽出し,画像における頭部を推定する.各カメラからの画像における頭部の座標と各カメラの設置位置から,実空間における人物頭部の3次元位置が計算できる.提案手法を試作システムに実装し,実験を行ったところ,平均高さ推定誤差は約7cmとなった.人物が立っているか座っているか,あるいは寝ているかなどの状態を判定するには十分だが,個人の識別に利用するには困難である.頭部の拡大撮影については十分に有効であることが確認できた.個人の識別に関しては,人物の位置によって照明条件が変わることが大きな障害となり,照明に影響されない有効な識別方法として身長の利用や色彩の利用を検討したが高い精度が得られなかった. また,不審人物検出について研究を行った.不審人物検出では,ドアの前でしゃがむ行動や,きょろきょろと辺りを見回す行動を不審行動と定義して検出した.背景差分による人物領域の変化からしゃがむ行動を検出した.また,頭部における肌色領域の増減から周囲を見回す行動を検出した.実験において,14名の被験者に不審行動を演じてもらい,しゃがむ行動の検出は93%,周囲を見回す行動の検出は79%の成功率を得た. 本研究により,セキュリティという応用分野を題材に,人物監視と識別について知見を得ることができたと考えられる.
|