Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本年度は,オペレーティングシステムに対する予防保全スケジュールの生成問題について調査した. Software Rejuvenationを実施することが最も効果的なリアルタイムシステムはオペレーティングシステムであると考えられるため,オペレーティングシステムにおけるエージング現象をモデル化し,オペレーティングシステム上で動作している多くのアプリケーションソフトウェアに対する非同期的挙動を数理的に表現することが本質的に重要な問題となる.これは,外部環境からのアクセスに対する確率的性質に大きく依存するサーバシステムとは異なり,非同期性,分散性,協調性を伴う離散事象システムとして捉える必要がある.オペレーティングシステムの動作特性を記述するためには様々な方法が考えられるが,本研究では確率ペトリネットによるアプローチを採用した.最も単純な指数発火を伴う確率ペトリネットを解析するためには,その可達木が連続状態マルコフ連鎖に帰着されることから,初年度に構築したSHARP2000に基づいたアルゴリズムを直接用いればよい.しかしながら,オペレーティングシステムにおけるエージング特性は無記憶性を有することが稀であるのが通常であり,より一般的なMarkov Regenerative確率ペトリネットのクラスに属する確率過程によって記述される.現在までにMarkov Regenerative確率ペトリネットの専用解析ツールはデューク大学電気計算機工学科において開発された"SPNP2000"だけであり,さらにソフトウェアディペンダビリティ尺度を算出したり予防保全アルゴリズムを決定するために,SPNP2000のカーネル部分の改良を行った. また,ここではSPNP2000上でオペレーティングシステムの動作特性を表現し,さらに予防保全スケジュールとディペンダビリティ尺度を計算するためのアルゴリズムの開発ならびにシステムの実装を行った.購入したデスクトップ型パーソナルコンピュータは,SPNP2000の専用ハードウェアとして,また大学研究室に設置している全ての端末からオペレーティングシステムの動作情報を逐次記録するためのデータベースとしても利用した.初年度購入したノート型パーソナルコンピュータとの互換性は,データやアルゴリズムの共同利用を行うためには不可欠であったため,Windowsマシンの中でも特にコンパチブルなタイプを選定した.最終的に,Nバージョンプログラミングやリカバリブロック等の典型的な耐故障計算技術とのパフォーマンスを比較し,高信頼性リアルタイムシステムに対するRejuvenation Scheduleの有効性を調べた.
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