自然環境情報の統合化による河川生態系評価モデルの構築
Project/Area Number |
13780442
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | The Museum of Nature and Human Activities, Hyogo |
Principal Investigator |
三橋 弘宗 兵庫県人と自然の博物館, 自然・環境マネジメント研究部, 研究員 (50311486)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 河川生態系 / 環境アセスメント / 地理情報システム / 自然環境情報 / 潜在的な生息地 / 予測モデル / 生態系管理 / GIS / 博物館資料 / データベース / ポテンシャルハビタット / 河川 / 現存量 / オーバーレイ / 生態系保全 |
Research Abstract |
兵庫県内及び周辺地域において、これまでに河川の生物調査が行なわれた報告書や学術論文を収集し、これに基づいて魚類及び水生昆虫について調査地点の位置情報、生物種の分布、採集年、出典などの情報を地理情報システムを用いて統合型のデータベースを作成した。これと同時に、気象や地形・地質、植生図などの環境に関する基盤情報もGISデータとして整備を行なった。これらのデータベースに基づいて、3つの観点から集計・解析を行なった。 1つ目は、兵庫県内の河川において魚類、水生昆虫ともに、生物多様性が最も高い地域、『生物多様性ホットスポット』の推定を行い地図として表現した。さらにこのデータと各種環境情報図を重ね合わせて、生物多様性の維持に関連する要因を抽出した。2つ目は底生動物の現存量と環境要因との関連性について解析を行なった。その結果、現存量の多寡に影響する環境要因(河川形態、河床型)と季節性との関連が明らかになった。さらに、種組成のうち造網性トビケラ類(ヒゲナガカワトビケラ属)の占める割合が現存量の多寡に大きく影響することを明らかにし、河川生態系現存量の予測モデルを作成した。3つ目は、山地渓流に生息するイワナの分布情報(既存情報)と独自に実施した野外調査データに基づいて、環境要因との関係をモデル化することで潜在的な生息地(ポテンシャルハビタット)を地図として推定した。その結果、河川の横断工作物による分断化は個体群の存続に著しい影響を及ぼすものと考えられた。 これらの成果および解析プロセス等は、兵庫県県土整備部が河川環境の保全を推進するために取りまとめた『ひょうごの川・自然環境調査マニュアル(兵庫県)』へと反映させており、実際の河川環境の保全計画に活用されている。現在、河川生態系の評価モデルとその手法に関する著書を作成している。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)