哺乳類の突然変異誘発に関与するDNA複製装置のin vitroでの再構成
Project/Area Number |
13780559
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
増田 雄司 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30273866)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | deoxycytidyl transferase / REV1 / translesion DNA Polymerase / mutagenesis / postreplication repair / RAD6 / REV7 / translesion DNA plymerase |
Research Abstract |
DNA損傷の多くは、正常な塩基対合を防げることによりDNA合成を阻害することが知られている。ところが最近、これらの損傷DNAを鋳型として、効率よくDNA合成を行う特殊なDNAポリメラーゼ(損傷乗り越え型DNAポリメラーゼ)が多数発見された。この損傷乗り越え型DNAポリメラーゼは原核生物から真核生物まで広く保存されており、DNA複製の停止を回避するために重要な機能を担っていることが明らかとなってきた。 本研究では、哺乳類の損傷乗り越えDNA合成の分子機構を明らかにするために、損傷乗り越え型DNAポリメラーゼの一つであるREV1遺伝子を同定し、その機能解析を行った。ヒトREV1遺伝子は1250アミノ酸残基からなるタンパク質を、マウスRev1遺伝子は1249アミノ酸残基からなるタンパク質をコードすることが分かった。REV1/Rev1タンパク質の生化学的解析を行うために、これらの遺伝子を大腸菌で過剰発現させた後、各種クロマトグラフィーによってREV/Rev1タンパク質を精製した。REV1/Rev1タンパク質の酵素活性をプライマー伸長反応により測定したところ、これらのたんぱく質は鋳型のグアニンに特異的にdCMPを重合するdCMP転移酵素であることを証明した。次に、REV1/Rev1タンパク質の損傷乗り越えDNA合成活性を、ウラシル残基と脱塩基部位を鋳型に持つモデル基質を用いて測定した。脱塩基部位は鋳型塩基が欠落した構造のために複製型DNAポリメラーゼによるDNA合成を強く阻害する。ところがREV1/Rev1タンパク質は脱塩基部位に対してグアニンと同程度の効率でdCMPを取り込むことが明らかとなった。Rev1タンパク質のこの酵素活性が、損傷を乗り越えてDNA合成を行うための重要な機能であると思われる。さらに、ヒトREV1タンパク質については、多数の欠失型タンパク質を作成し、dCMP転移活性と、DNA結合活性に必要な領域を同定した。 さらに本研究では、ヒトREV1タンパク質とヒトREV7たんぱく質が安定なヘテロ二量体を構成することを示した。この複合体の酵素活性はREV1単独のそれと同等であったことから、REV7タンパク質はREV1とそれ以外のタンパク質との相互作用を仲介し高次複合体を構成するために必要なサブユニットであると考えられた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)