Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本年度はXRCC1タンパク質のリン酸化アミノ酸の決定を行う予定であったが、完了できなかった。実験の遅延の原因は放射性同位元素を用いる実験の困難なことである。今後放射性同位元素を用いないで実験系を組み立てるよう検討する必要がある。本年度明かにできた点は以下のとおりである。1)細胞をアルキル化剤(methyl methansulfonate)処理した時にXRCC1タンパク質のリン酸化が亢進する。2)これはBRCT-a motifの機能に依存する。3)このリン酸化によって既知のXRCC1と結合するタンパク質PARP-1との相互作用は影響を受けない。4)等電点電気泳動とウエスタンブロッティングの結果から、XRCC1は少なくとも5つのリン酸化を受ける。また、XRCC1遺伝子の多型についても基礎的な実験を行った。具体的には、ヒト集団中で同定されている三種類のXRCC1遺伝子多型の機能への影響を実験的に解析するため、多型のXRCC1タンパク質を発現する細胞株を作成し、アルキル化剤への感受性を調べた。これまでのところ280番目のアミノ酸の多型がアルキル化剤への感受性に影響を与えるらしいことが分かってきた。
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