複合音刺激に対する大脳皮質一次聴覚野ニューロンの応答とその局在部位
Project/Area Number |
13780632
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
地本 宗平 山梨大学, 医学部, 助手 (80324185)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 大脳皮質一次聴覚野 / 純音刺激 / ニューロン活動 / 複合音刺激 / 周波数応答野 |
Research Abstract |
覚醒状態のネコの大脳皮質一次聴覚野(AI)から単一ニューロン活動を記録し、音刺激に対する応答を解析した。純音刺激に対して興奮性応答を示したAIニューロンを、発射活動の時間経過から、phasic(P)-, phasic-tonic(PT)-, tonic(T)-cellに分類した。それぞれのニューロンタイプについて刺激期間中の周波数応答野(FRA)の時間変化を調べた結果、P-cellは急激に、PT-cellはゆっくりとその大きさを減少させた。一方、T-cellはその大きさをほとんど変化させなかった。このことはP-cellは刺激のonsetとoffset時のspectrumの変化を、T-cellはsteady phaseの周波数情報を、PT-cellはその両者をコードしていることを示唆する。次に刺激中に持続的活動を示すPT-cellとT-cellについて、刺激音のspectral componentの一つをその細胞の最適周波数に固定し、もう一つのcomponentの周波数を系統的に変化させ、反応を調べた(two-tone test)。その結果、これらのニューロンが興奮性FRA (eFRA)に近接して抑制性FRA (iFRA)を持つものと全くiFRAを持たないものに分類できることが分かった。これらFRAの機能的な重要性を明らかにするために、さらにlow-passおよびhigh-pass bandの複合音刺激に対する応答を調べた。Low-pass band刺激ではcomponentの最低周波数を128Hzに、high-pass band刺激では最高周波数を16kHzもしくはそのニューロンの最適周波数より十分に高い周波数に固定し、バンド幅を系統的に変化させた。刺激に対する反応からこれらのニューロンは(1)low-passとhigh-pass band刺激の両方に反応するタイプ、(2)low-pass band刺激にのみsensitiveなタイプ、(3)high-pass band刺激のみにsensitiveなタイプ、(4)両刺激に対して反応しないタイプに分けられた。これらの反応タイプは、複合音のspectral componentの分布とtwo-tone testで得られたそれぞれのニューロンのeFRAとiFRAの配置の関係によって説明できた。以上の結果からAIは複合音のspectral情報を解析するいくつかのニューロン群から構成されていると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)