Project/Area Number |
13780644
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
渡我部 昭哉 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (40290910)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | in situ hybridization / 霊長類 / 大脳新皮質 / 領野 / 層特異的遺伝子 / 2重in situ / 大脳皮質 / GDF7 |
Research Abstract |
哺乳類の新皮質は進化上もっとも新しい部分であり、とくにわれわれ霊長類において著しく発達している。本研究では霊長類の新皮質構造を分子生物学的手法を用いて解析し、さらに種間の比較によりその進化的な特徴を解明することを試みた。本課題開始時点で、サル運動野で多く発現するGDF7を軸にした解析と、新皮質の特徴を可視化する遺伝子マーカーの探索の2点を提案し、後者において興味深い結果を得た。マーカーの探索においては、申請者の研究室で同定した領野特異的遺伝子のファミリー分子や、すでにネズミについて層特異性が示されているが、サルに関する情報がない分子などを対象にin situ hybridizationを行った。その結果マカクザル、ネズミにおいて非常に高い層特異性を示す遺伝子をいくつか同定できた。興味深いのはその発現分布には、領野の違いや種の違いが反映されることだ。たとえば、サルでほぼ第6層に限局しているある遺伝子はマウスにおいては、5,6層の両方に発現していた。サルにおいてもネズミにおいても、この遺伝子を発現しているのは6層の全興奮性ニューロンのうち一部であった。このことは、新皮質の浅層(2,3層)になく、深層(5,6層)にのみ存在する興奮性ニューロンのサブタイプが存在し、しかもその層分布は種間で異なるという可能性を示している。過去の研究から、神経連絡の違いや電気生理的性質、形態の違いを示す多くのニューロンタイプが存在することが分かっている。本研究で見いだした遺伝子マーカーがそれぞれどのような性質を持つニューロンタイプに発現しているかは未解明であり、今後新皮質構造を解明する上で重要な手がかりを与えてくれるものと考えている。
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