Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Research Abstract |
PETで再構成される画像はある時間内のトレーサの放射能分布画像であり,それが直接的に代謝といった生体機能を表すわけではない.このため,生体機能情報を得るためには直接的に生体機能を表す動態機能画像を推定しなくてはならないが,その推定精度は組織内放射能時間曲線(tissue Time Activity Curve : tTAC)の精度に大きく依存することから,TACを高精度に推定することが必要となる.従来のPETを用いた従来のTAC推定では,PET動態機能画像再構成において,時間フレーム毎のヒストグラムデータを用いることから,従来のPET計測におけるフレームの収集時間では十分な時間分解能が得られず,また仮に,時間分解能を上げるため時間フレームを密に取ると,陽電子崩壊に伴う統計ノイズ(ポアソンノイズ)が大きくなり放射能分布画像のS/N比は著しく低下するためtTACの精度も低下する. これに対して,現在,放射線医学総合研究所を中心に開発が進められている次世代PETでは,1イベントごとにデータを記録する方法であるリストモード形式でデータが保存されることとなっており,本研究では,このリストモードデータを用いて十分な時間分解能の実現でTAC推定に対するノイズの影響を取り除くことを目的として,リストモードデータを用い経時的な放射能分布画像を再構成せずに直接ピクセル毎のtTACを求める手法を提案した. 提案手法では,生体内のある位置jにおけるTACをf_j(t)とし,i番目の検出器対で計測された時刻を要素とするベクトルをリストモードデータy_iとする.ここで,TACは生理学的なモデルより時間的に滑らかに推移することが知られているため,f_j(t)を滑らかな基底関数b_1(t)を用いてf_j(t)=Σa_<j1>b_1(t)で表す.ここで,a_<j1>は展開係数を表す.基底関数は,先験情報として得られる,対象薬剤の様々なTACをKL変換することで導出する.そして,リストモードデータy={y_i}に対する尤度P(y|a)に対して,最尤法を適用することでaを求めTACを推定する.提案手法では,統計的性質の考慮及び基底関数の導入により高精度のtTACを推定することができ,従来法と比較し,より高精度なtTACを推定可能である.また,tTACに対し非線形最小自乗法などを適用することにより再構成される動態機能画像の推定精度に対しても,従来法と比較し,推定精度が向上していることが期待できる.
|