Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
蛋白質を安定かつ大量に内包し、分解に従って徐放する新しい蛋白質製剤用材料としてポリ乳酸(PLA)グラフト化多糖を応用すること目的として,本年度はデキストランを用いて調製したPLAグラフト化デキストランからの蛋白質内包ミクロスフェア(MS)の調製について検討した。前年度までに確立した方法、すなわち多糖のトリメチルシリル(TMS)化、その残存水酸基を開始点とするL-lactideの開環グラフト重合、脱TMS化というステップを経て、PLAグラフト化デキストランを得た。得られたPLAグラフト化デキストランを用いてW/O/Wエマルション・液中乾燥法により蛋白質内包MSを調製した。モデル蛋白質としてはFITCラベル化アルブミンなどを使用した。共焦点レーザー蛍光顕微鏡観察により、FITCラベル化アルブミンがMS内に均一に分散している様子が観測された。また、MSから放出されたタンパク質の高次構造変化をCDスペクトルを測定することにより考察したところ、PLAグラフト化デキストランMSから放出されたアルブミンは、PLA-MSから放出されたものより変成の程度は低かった。 一方,上記のようなTMS化,重合,脱保護というステップではなく,簡便なカップリング(縮合)反応によるPLAグラフト化多糖の合成方法を開発するため,アミノ末端PLAの新規合成についても検討した。その結果,Boc保護されたアミノエタノールのアルコキシドを開始剤としたL-lactideの開環重合により,末端に定量的にアミノ基が導入されたアミノ末端PLAを合成することに成功した。これを用いて,カルボキシメチル化プルラン(CM-Pul)とのカップリング反応を行い,PLAグラフト化プルランを合成することにも成功した。得られたPLAグラフト化プルランは水溶液中でナノメータースケールの集合体を形成することがわかった。
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