生別母子家族がもつ資源の構造と自立支援に関する研究
Project/Area Number |
13871027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
岩田 美香 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教授 (30305924)
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Project Period (FY) |
2001 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 母子家庭 / 母子生活支援施設 / 家族資源 / 自立支援 / 母子家族 / 母子生活支援施 |
Research Abstract |
本年度は、平成13〜15年度にかけて実施した、母子生活支援施設利用者、施設を退所して地域に暮らす母子家族、施設長・施設職員、施設を利用せずに地域に暮らす母子家族への調査をもとに、まとめの作業を行った。 施設利用者は、頼るべき実家の資源が乏しく、それを補うべく施設のソーシャルワークが実践されていた。しかしその質は十分なものではなく、施設間や職員間で、かなりの差が生じていた。それは単なる援助技術の差ではなく、施設長や職員が抱く生活保護受給者あるいは貧困観に対する偏見が、実践場面でも反映したものとなっていた。 一方、施設と地域との母子家族の比較では階層差が見られ、家族資源が豊かな母子家族が、離婚・就職・子育てといった様々な場面で、実家のあらゆる援助を利用して「自立」へと歩んでいるのに対して、家族資源の乏しい母子家族では、母親の学歴による就職機会の不利や結婚生活と金銭的トラブルなど、母子家族となる以前からの不平等さが存在していた。これはまた、日本の福祉制度が家族依存の性格を帯びていることを示すものでもある。これらの検討結果は『教育福祉研究』第10-1・10-2号に発表した。 「自立観」では、援助者は「自立」に向けて援助しているものの、施設利用や生活保護受給と「自立」との兼ね合いについては、個々の援助者で見解が分かれていた。また施設の母親は「施設を出ること」が、地域の母親は「父母子家族」に近づいた生活を送ることが「自立」と捉えていた。母子家族への援助は、母親たちの家族資源を考慮した階層的視点からの状態把握が必要であり、その階層差をふまえた上で、彼女たちにとっての「自立」とは何かを、私たちの「偏見」の見直しとともに再考することが求められる。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)